発達障害と診断されることよりも大事なことはなんなのか
「マンガでわかる 発達障害 特性&個性 発見ガイド」
ミスお役立ち度 ★★★★★
空気読役立ち度 ★★★★★
仕事お役立ち度 ★★★★★
知識が深まる度 ★★★★★
本として面白度 ★★★★
※評価はその時の気分で左右される主観的なアレです。
いきなり「発達障害ではない」と診断されるシーンがでてきて面食らいますがこれこそが本書の目的なのだと思います。
と、言うのも本書は障害診断の有無ではなくて自分や周りの困りごとに焦点を当てているからなんですね。そう、診断されてるかどうかは実は本質ではない、本人が幸せに人生を送ることが第一なのです。もちろん周りも。
診断基準に満たないいわゆるグレーゾーンの人も含めてどうしたら困りごとが良い方向に解決するのか、が本書では重点的に描かれています。
本書で診断の有無をあまり重要視しないのにはもう一つ理由があって、そもそも発達障害という概念がまだ定まっていないが為に定義がどんどん更新されていっているという点です。例えばADHDとASDは併存しないとされていましたが最新の診断基準であるDSM-5では併存ありに変更になってるんですね。
例えば、すごーく注意力散漫で困っててでも空気も読めなくてそれはそれですごーく困っているような人がいたとしてその人のことをADHDと診断するかASDと診断するかは医師に任されていたってことらしいです。
本書を読みながら気づいたのは、わたし実はADHDだけではなくてASDも軽くあるかもしれないなというところ。昔から謎の癇癪とか拘りがあって、性格かなーと自分でも諦めていましたがASD観点でアプローチすべき問題だったかもしれない、と今更ながら思いました。これも併存がない前提の時の知識に引きずられてた影響かもしれません。
漫画形式なので当事者の気持ちと周りの気持ちのすれ違いっぷりが図としてうまく表現されていて、すごーくよくわかります。
自分が困ってる注意欠如やらこだわりやらの場面では「あーそうそう、そうなんだよー」ってなりますし、逆に自分があまり困っていない(定型に近い)部分では「あっ、あのときのあの人のアレはそういう困りごとを抱えていたのか!」と気づくシーンもありました。
そして本書のとりわけ良い点は特性を生かそうと言う観点で書かれていることです。
困りごとを認識するのは、その人の持っている良い点を伸ばすための手段であってその人のダメなところを自覚させるためでもないし、定型の人が「あーあいつ発達障害だしな」とあきらめるためのものでもないってことですね。
学べること
発達障害と診断されることよりも、困りごとを認識して強みを活かす事こそが大事ということ。マンガなので視覚的につかみやすいです。
使えること
日々の生活の中の困りごとに対してどういう観点を持つべきなのかの具体例が豊富です。
- 作者: 福西勇夫,福西朱美
- 出版社/メーカー: 法研
- 発売日: 2018/01/19
- メディア: 単行本
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