発達障害からDを除いてみる「発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち」本田秀夫
発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち (SB新書)
- 作者: 本田秀夫
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2018/12/06
- メディア: 新書
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ミスお役立ち度 ★★★★★
空気読役立ち度 ★★★★★
仕事お役立ち度 ★★★★★
知識が深まる度 ★★★
本として面白度 ★★★★
※評価はその時の気分で左右される主観的なアレです。
ADHDとかASDの最後のDって「disorder」→障害、のDなんですが、本書ではそのDを取ってしまってADH、ASと書かれています。disorderまでは行かないが、あきらかに発達特性起因の困りごとがあるっていうパターン、最近グレーゾーンとか呼ばれてますけどそこに特にフォーカスされています。
で、障害という観点を取り除いて特性として捉え直すことでADH(D)やAS(D)の困りごとを解消することができると提案されています。なるほど。
加えて、本書では他の発達障害関連であまり触れられない複合パターンについて細かく解説して居るところがポイント。
特性の組み合わせと、その人の生活環境によって困りごとが強化されたり逆に困りごとが困りごとでなくなったりするのだという点を丁寧に説明されています。
例えばミスが多い特性だって、ミスを防ぐ環境が整っていればそれは困りごとにならない。逆に少しのミスでも直ぐに責任を問われてしかもミス防止の工夫をすることができない環境ならば明らかに「困りごと」になってしまう。ちなみに本田先生ご自身もADH(D)の素質があると告白されていますが、いわゆる先生という職業柄、事務方さんもいるし秘書さんもいるしで困っていないのだそう。(「わたしは」困っていませんが周りがどう思っているかは別です。と明記しているところが味わい深い)。
さて。
この本を読んで実はかなりスッキリしたことがあります。
元々私はかなり注意欠陥でその点は自覚して色々工夫してるんですが(それでもやらかすけど)、他にもADH(D)が影響してるって部分が範囲したのです。
そう、「好きなことでも集中できない!!!!」
ああ、もう…。うん、そうだね、考えてみたらそーゆー事ですよね。今まで幾つの趣味やら何やらをやり散らかしてきたことか。
ただ、ここで自分を褒めたいんですが、集中が途切れてやめてしまっても興味が戻るとまたやり始めるんですよ。勉強しなすぎて大学受験は不本意に終わりましたが(大学は楽しかった)、結局30になってからまた大学院いってみたりとか、ピアノも全然うまくないんですが年単位の中断を挟みながらもレッスン続けてたりとか、「戻ること」の仕組みが人生に組み込まれているんです、わたし。えらい。www。好きなことすら続かなくて悩んでたんですが、これも一つの続け方なんだと自信が出てきました。
本書の中では本田先生も自分のやりたいこと、楽しみたいことを持つことを推奨されていましたし!!
という事で複合的に困りごとがある人、診断されるほどでもない人にはとても為になるし助けになる本なのではないでしょうか。
学べること
ASDとADHDが複合している場合の実例。
いわゆるグレーゾーンに位置する人の困りごと、Dが無い人の立ち位置。
使えること
生活環境の改善方法、どうしたら快適に暮らしていけるのか、の方向性。
発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち (SB新書)
- 作者: 本田秀夫
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2018/12/06
- メディア: 新書
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グレーゾーンの会ですって!
ちょー気になります、この会。
代表の方も会社員みたいなので会社員あるあるが共有できそう。
しかし、私の検索力の至らなさか、イベント告知以外見つけられず…。うーむ。
ヤフーニュース
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181009-01514655-sspa-soci
イベント告知一覧
https://kokucheese.com/s/main/host/OMGray事務局/
ぜひ一度参加したいです。
親目線から考える「ブレない子育て」
- 作者: 栗原泉
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2018/06/14
- メディア: 単行本
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空気読役立ち度 ★
仕事お役立ち度 ★
知識が深まる度 ★★★
本として面白度 ★★★★★
※評価はその時の気分で左右される主観的なアレです。
2016年にテレビで発達障害を公表した、俳優栗原類のお母様の本です。
親目線の発達障害本って実はそんなに好きではないのです。なぜかというと、当たり前ですが個別事例になりがちだし、大体の場合子供をどう育てるかという名のもとに親のつらさがメインで描かれているので当事者本ではないなーって思ってしまうからです。
と、言いつつも以前より自分が探りたい課題がありまして、それは定型発達(寄り)の人と発達障害あるいは発達障害寄りの人がどうやって共生していくか、というものです。
親子関係もそうですし、社会の中での関わりももちろんです。例えば発達障害からくるこだわりが
障害だから仕方がない、定型のお前らガマンしろって話ではないですよね?
と、いうのは頭では理解しつつ自分でも(自分とは傾向の異なる)発達障害傾向のあるひとから本気で腹立たしいことをされたりしたときに未だに「これが正解」という対応方法を獲得できていません。その場でその行為に対しての不快感とその理由を表明するのが精一杯です。(過去、それすらしなかったために抑うつ状態に陥ってしまい元に戻るまでに会社休職までやらかしてしまいました。。。)これは自分の得意でない部分とほかの人の得意でない部分が見事に不協和音を奏でてしまった例だと思いますが、未だにその人には近づきたくありませんし、おそらく向こうもそうおもっていることでしょう。
栗原類さんは自身の発達障害を公表していて、お母様も発達障害なのだそうです。類さんの発達障害診断の過程でわかったのだそう。類さんとお母様の特性は結構違っていて、とりわけ記憶力に関して類さんは絶望的に「記憶力がない」。お母様は類さんと真逆でできない諸々のことを抜群の記憶力を頼りに乗り越えていったタイプだったようで、『記憶力のなさには絶望します・・・』というくだりがあります。
まさに、気になったのはこの点でした。
発達障害を親子ともどももちつつ、しかも特性が真逆といってもいいくらいに違う。。。結構きついはずです。親目線で言えば自分が今まで一生懸命獲得してきた世間との付き合い方のスキルが全く役に立たない(たぶん)だし、子供目線で言えば自分のことを理解してくないという点で親は定型発達の大人と同じにしかうつらないのではないかと思うのです。
さてさて、ほぼ本の内容がないまま私自身の困り感だけつらつらと述べてしまいましたが、本書は類さんと二人三脚で必死で生きてきたお母様の気持ちが細かく細かく描かれていてちょいちょい泣いてしましました。あの栗原類が出来上がるまでにはこのような背景があったのだな、と胸いっぱいになる本です。
学べること
発達障害当事者の子育て&全く違う特性の二人が一緒に暮らすということ
使えること
自分には想像がつかない特性を持った誰かを援助する方法
こちらも!
- 作者: 栗原類
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2016/10/06
- メディア: 単行本
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_| ̄|○今日のミス 乗り換え…
やっちまいました、気づいたら反対方向の電車に!!!
あわてて戻りましたが駅からのタクシー乗り場も行列。打ち合わせしかも初顔合わせなのに!!!
タクシー乗り場に下りたせいで当初乗る予定だったバス停も何処にあるのか分からず(方向音痴のせいで)大混乱。
どうにかバス停をみつけて3分遅れで平謝りしながらの打ち合わせ開始となりました…
こーゆーこともあろうかと30分ゆとりを持って行ったのに食いつぶしましたよ、ええ。
療育的観点から「誤学習・未学習を防ぐ! 発達の気になる子の「できた! 」が増えるトレーニング 」
ミスお役立ち度 ★★
空気読役立ち度 ★★
仕事お役立ち度 ★★
知識が深まる度 ★★★★★
本として面白度 ★★★
※評価はその時の気分で左右される主観的なアレです。
本書は私がテーマにしている大人の発達障害ではなく、子供の療育にフォーカスされたものです。
ですが冒頭が当事者目線ではホラーです。
適切な療育がされなかったと推測される大人の発達障害の人のトンデモ事例が書かれていて、もう叫ぶほかありません。親の遺産3000万円をFXの失敗で瞬く間に溶かしたり、カレンダーの見方がわからないせいで家がゴミ屋敷になったり…。いきなりエキストリームな事例が飛び込んでくるので、もう大人になってしまった身からすると震えて眠る以外に対応が見つからないかと思ってしまいます。
が、当たり前ですがこれは本筋ではなく、そもそも上記のようなお困りごとを未然に防ぎたいというのが趣旨なわけでして、発達障害と診断されている子も、診断されていないけれども困りごとがある子も、どうやったらうまく学んでいくことができるかということが事例別に丁寧に説明されています。
本書の目的の一つとして「誤学習を防ぐ」というワードが掲げられています。これはどういうことかというと、発達の凹凸ゆえに生活のさまざまなことを間違えた理屈で覚えてしまうことらしいです。
わー身に覚えあるぜ…そして周りの「困ったちゃん」な大人たちにもそういう人いるぜ…。
これ、最近見たツイートで、60歳くらいのお父さんがじゃんけんのルールを知らなかった(相手のリアクションで自分の勝ち負けを判断してた)ってのが有ったんですが、たぶん当該事例ですよね.。
こうならないためにどうしたらいいか。
本書では
・物事の処理方法を複数獲得しておく
・場面に応じてその選択肢を選ぶ力をつけておく
ことだと書かれています。なるほどーこれは大人でも間に合いそう。
結局、発達の凹凸によって学びの過程で「自分が快適にできるもの」に極端によってしまうというのがよくないようです。
発達障害を抱える(あるいはグレーゾーン)の子が自立できるように、と事例はかなり日常生活寄りです。たとえばおつりの計算やカレンダーの読み方などなど。
この辺りは自分目線だと余裕でできてることなので、軽くスルーだったのですが、すごく驚いたことが1点。場の決定権についてです。これが理解できていないがために度の過ぎたわがままを押し通そうとすることに繋がったりするらしいです。なるほどー場の決定権って、教えられることもなく身につけていたので、気づきもしませんでしたが、これも学習して身につくものの一つだったんですね。(ちなみに、この考えで息子3歳に接するようにしたらかなりわがままが楽になった)。
ということで、メタ的に色々な学びがある一冊でした。
学べること
発達障害がなぜ生活に
使えること
メタ的に学ばねばいけないのに定型発達の場合特に話題にされないようなさまざまなルールの明文化
ブログタイトルを変えました!
ADHDサラリーマンのうっかりな日常と関連本の読書日記のつもりでながーいタイトルをつけていたのですが、目的に沿ったシンプルなものに変更することにしました。
今後ともよろしくお願いします!
さて、衝動的側面あるあるで、あれもやりたいこれもやりたいモードになってます。
そこで読んでるこの本。
サラリーマンをやめる気は当面無いのですが、副業で会社設立とかおもしろそうじゃん!!
っと買ってみました。
なるほど分かりやすいです。(スマホで読むには字が小さいのでキンドル本体か紙がおススメ)
そもそも何をやりたいの??という問いかけのページで
「あ!ブログタイトル変えよう!」と思い至ったのです。(端折り過ぎ)
- 作者: 中野裕哲
- 出版社/メーカー: 西東社
- 発売日: 2014/06/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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大人女子ADHDが生きて行くのに一番大事なこと「わたし、ADHDガール。恋と仕事で困ってます。」
ミスお役立ち度 ★★★
空気読役立ち度 ★★★★★
仕事お役立ち度 ★★★★★
知識が深まる度 ★★★
本として面白度 ★★★
※評価はその時の気分で左右される主観的なアレです。
先日も仕事で盛大な「うっかりミス」をやらかした私、本書の内容を涙なしには読むことができませんでした。
タイトル通り、本書はADHDの特性のせいで公私にわたってやらかしている大人の女性のための指南本です。「のび太ジャイアン症候群」の司馬先生の本です。
まず、この本の良いところは「短い」。
やー多動の人にとってはこんなに大事なことないですよね??そういう意味で当事者にリーチする素晴らしさがあります。字も大きい。各章のまとめなんて川柳で575ですからね!日本語のミニマム攻めてますよ!
そして、当事者である自分と周囲とのズレの問題も取り上げています。「周囲の迷惑」観点で語られるADHDって、迷惑だとかいかに付き合ってやろうだとかどうしても上から目線になりがちなのですが、本書は違います。
「あなたは大したことないと思っていることでも周りはイヤな思いをしているかも、当事者に釘を刺した上で(ちなみにこの部分も川柳でまとめられてる)、なんでその気持ちにさせてしまうのか、どうしたらいいかが提案されています。
が、
本質はここではないのです。
本書の本当に素晴らしい点は、当事者にとって辛い事実を掲げながらも
「どんなにヘマをしたってそれはあなた自身を損なうものではない。あなたの自尊心は保って良いんですよ」
ここです!どどん!!
そう、ミスはミス。他人にイヤな思いをさせない。でもそれはあなたがダメ人間だからではない。
ADHDの処世術としてウッカリキャラを演じて「あいつはイジってもいい」って認定を自分から誘導していってしまう!これすごく身に覚えがあります。周りとのコンフリクトは無くなりますが引き換えに自分自身という大事なものを差し出してるんですよね。
お題目として毎日唱えてもいい!って思いました。
学べること
ミスをしたって人に嫌われたって自分は大事な存在なんだと信じて良い
(ただし、周りがどう迷惑を被っているのかは自覚すべし)
使えること
自分の何が周りをイライラさせるのかのハウツー
その際のADHDとして対応可能な注意点
- 作者: 司馬理英子
- 出版社/メーカー: 東洋館出版社
- 発売日: 2018/06/14
- メディア: 単行本
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