サラリーマンADHDのための読書案内

発達障害、特にADHD周りの本のレビューです。未完の記事でも挙げてしまえ!をモットーに更新していきます。

発達障害からDを除いてみる「発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち」本田秀夫

発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち (SB新書)

発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち (SB新書)

ミスお役立ち度 ★★★★★
空気読役立ち度 ★★★★★
仕事お役立ち度 ★★★★★
知識が深まる度 ★★★
本として面白度 ★★★★

※評価はその時の気分で左右される主観的なアレです。

ADHDとかASDの最後のDって「disorder」→障害、のDなんですが、本書ではそのDを取ってしまってADH、ASと書かれています。disorderまでは行かないが、あきらかに発達特性起因の困りごとがあるっていうパターン、最近グレーゾーンとか呼ばれてますけどそこに特にフォーカスされています。
で、障害という観点を取り除いて特性として捉え直すことでADH(D)やAS(D)の困りごとを解消することができると提案されています。なるほど。

加えて、本書では他の発達障害関連であまり触れられない複合パターンについて細かく解説して居るところがポイント。
特性の組み合わせと、その人の生活環境によって困りごとが強化されたり逆に困りごとが困りごとでなくなったりするのだという点を丁寧に説明されています。

例えばミスが多い特性だって、ミスを防ぐ環境が整っていればそれは困りごとにならない。逆に少しのミスでも直ぐに責任を問われてしかもミス防止の工夫をすることができない環境ならば明らかに「困りごと」になってしまう。ちなみに本田先生ご自身もADH(D)の素質があると告白されていますが、いわゆる先生という職業柄、事務方さんもいるし秘書さんもいるしで困っていないのだそう。(「わたしは」困っていませんが周りがどう思っているかは別です。と明記しているところが味わい深い)。

さて。
この本を読んで実はかなりスッキリしたことがあります。
元々私はかなり注意欠陥でその点は自覚して色々工夫してるんですが(それでもやらかすけど)、他にもADH(D)が影響してるって部分が範囲したのです。

そう、「好きなことでも集中できない!!!!」

ああ、もう…。うん、そうだね、考えてみたらそーゆー事ですよね。今まで幾つの趣味やら何やらをやり散らかしてきたことか。

ただ、ここで自分を褒めたいんですが、集中が途切れてやめてしまっても興味が戻るとまたやり始めるんですよ。勉強しなすぎて大学受験は不本意に終わりましたが(大学は楽しかった)、結局30になってからまた大学院いってみたりとか、ピアノも全然うまくないんですが年単位の中断を挟みながらもレッスン続けてたりとか、「戻ること」の仕組みが人生に組み込まれているんです、わたし。えらい。www。好きなことすら続かなくて悩んでたんですが、これも一つの続け方なんだと自信が出てきました。

本書の中では本田先生も自分のやりたいこと、楽しみたいことを持つことを推奨されていましたし!!

という事で複合的に困りごとがある人、診断されるほどでもない人にはとても為になるし助けになる本なのではないでしょうか。


学べること

ASDとADHDが複合している場合の実例。
いわゆるグレーゾーンに位置する人の困りごと、Dが無い人の立ち位置。

使えること

生活環境の改善方法、どうしたら快適に暮らしていけるのか、の方向性。

発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち (SB新書)

発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち (SB新書)