親目線から考える「ブレない子育て」
- 作者: 栗原泉
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2018/06/14
- メディア: 単行本
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空気読役立ち度 ★
仕事お役立ち度 ★
知識が深まる度 ★★★
本として面白度 ★★★★★
※評価はその時の気分で左右される主観的なアレです。
2016年にテレビで発達障害を公表した、俳優栗原類のお母様の本です。
親目線の発達障害本って実はそんなに好きではないのです。なぜかというと、当たり前ですが個別事例になりがちだし、大体の場合子供をどう育てるかという名のもとに親のつらさがメインで描かれているので当事者本ではないなーって思ってしまうからです。
と、言いつつも以前より自分が探りたい課題がありまして、それは定型発達(寄り)の人と発達障害あるいは発達障害寄りの人がどうやって共生していくか、というものです。
親子関係もそうですし、社会の中での関わりももちろんです。例えば発達障害からくるこだわりが
障害だから仕方がない、定型のお前らガマンしろって話ではないですよね?
と、いうのは頭では理解しつつ自分でも(自分とは傾向の異なる)発達障害傾向のあるひとから本気で腹立たしいことをされたりしたときに未だに「これが正解」という対応方法を獲得できていません。その場でその行為に対しての不快感とその理由を表明するのが精一杯です。(過去、それすらしなかったために抑うつ状態に陥ってしまい元に戻るまでに会社休職までやらかしてしまいました。。。)これは自分の得意でない部分とほかの人の得意でない部分が見事に不協和音を奏でてしまった例だと思いますが、未だにその人には近づきたくありませんし、おそらく向こうもそうおもっていることでしょう。
栗原類さんは自身の発達障害を公表していて、お母様も発達障害なのだそうです。類さんの発達障害診断の過程でわかったのだそう。類さんとお母様の特性は結構違っていて、とりわけ記憶力に関して類さんは絶望的に「記憶力がない」。お母様は類さんと真逆でできない諸々のことを抜群の記憶力を頼りに乗り越えていったタイプだったようで、『記憶力のなさには絶望します・・・』というくだりがあります。
まさに、気になったのはこの点でした。
発達障害を親子ともどももちつつ、しかも特性が真逆といってもいいくらいに違う。。。結構きついはずです。親目線で言えば自分が今まで一生懸命獲得してきた世間との付き合い方のスキルが全く役に立たない(たぶん)だし、子供目線で言えば自分のことを理解してくないという点で親は定型発達の大人と同じにしかうつらないのではないかと思うのです。
さてさて、ほぼ本の内容がないまま私自身の困り感だけつらつらと述べてしまいましたが、本書は類さんと二人三脚で必死で生きてきたお母様の気持ちが細かく細かく描かれていてちょいちょい泣いてしましました。あの栗原類が出来上がるまでにはこのような背景があったのだな、と胸いっぱいになる本です。
学べること
発達障害当事者の子育て&全く違う特性の二人が一緒に暮らすということ
使えること
自分には想像がつかない特性を持った誰かを援助する方法
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- 作者: 栗原類
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2016/10/06
- メディア: 単行本
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